さっきから、一所懸命ねえちゃんが何やらまくし立てているんだけど。
悪いんだけど、全然それどころじゃない。
最終兵器、キミ。
あ、と思ったら、もう遅かった。
隔たりの無いソファに並んで座っているんだから、いつかはこうなることは予想出来たのに。
軽く、太腿に触れた指先。
一瞬の間にその小さな指先は離れていってしまったのだけど、さっきから触れられた太腿がやけに熱い。
其処から何やら得体の知れない薬でも注射されたかの様に、どくんどくんと強く脈打っている。
やがてその熱は全身に回り、つむじから爪先までを制するのだろうか?
……うん考えるだけでも恐ろしい。
「……でね、アーウィンたら……なの。
……ねぇフレディ、聞いてる?」
ああ、だからそれどころじゃないってば!
こちらは太腿に心臓が落っこちたみたいな異常事態で手一杯なんだから!
「……ねえちゃんのバーカ」
「え? 何か言った?」
「んーん、何も」
そしたらねえちゃんてば、そう?なんて小首を傾げて微笑うもんだから、慌てて肋骨へ帰ってきた心臓が、胸の中でぐちゃぐちゃに潰れる音がした。
ああ、きっとオレは、力も銃も毒も使わずに、きっとねえちゃんに殺されるんだろうな。なんて。
「……アホらし」
fin
10/12/15
フレレナ(7thBV)